スコアは僅差だが力の差は歴然。日本代表、ベルギー戦採点

 日本代表(FIFAランキング44位)は11月14日、ベルギー・ブルージュでFIFAランキング5位のベルギーと親善試合を行い、0-1で敗れた。11日のブラジル戦では前半で3点差をつけられて1-3で敗れたハリル・ジャパンは、ブラジル戦から先発をふたり入れ替え。中盤はMF長谷部(フランクルフト)に代え、代表初招集初出場のMF長沢(浦和)を先発に抜てきした。中盤はMF山口(セレッソ大阪)をアンカーに、インサイドハーフにMF井手口(ガンバ大阪)、長沢という3人で構成。さらに右FWには久保(ヘント)に代え、浅野(シュツットガルト)を入れ、、3トップとふたりのインサイドハーフで、相手ボランチや時にはDFラインにも強いプレッシャーをかける戦術で挑んだ。一方でベルギーは、MFエデン・アザール(チェルシー)、GKティポ・クルトワ(チェルシー)といった主力がスタメンから外れ、ベストメンバーとは言えない陣容。しかしそれでもFWロメロ・ルカク(マンチェスター・ユナイテッド)、MFケビン・デブライネ(マンチェスター・シティ)らが居並ぶ、ワールドクラスの陣容で日本を迎え撃った。

 試合は前半、日本代表の前線からの連動したプレスがはまり、ベルギーに主導権を渡さず。ショートカウンターから浅野のスピードを生かし、チャンスもつくった。前半を0-0で折り返し、日本は後半17分にMF森岡(ベヘレン)、同23分にFW久保を投入して1点を奪いにかかった。しかし後半27分、ベルギーのMFシャドリ(ウエスト・ブロムウィッチ)にドリブルで右サイドを崩され、中央へラストパスを送られると、これをルカクにヘディングで押し込まれた。その後も日本はゴールをこじ開けることができず、試合は0-1で敗戦。トータル11編集部では、日本代表選手の採点をお届けする。

GK 川島永嗣  6・0

エリア外から何度かきわどいシュートに見舞われたが、冷静かつ堅実なセービングでゴールを守った。ルカクに許した1点は、どう考えてもGKはノーチャンスだった。かつてリールセ、ブルージュとベルギーのクラブに所属していた守護神は、第2の故郷と言える場所でまずまずと言えるパフォーマンスをみせた。

DF 吉田麻也  4・5

失点場面ではペナルティーエリア内であっさりとシャドリにかわされ、決定的なクロスを上げられた。エリア内でスピードに乗ったドリブラーを止める作業は容易ではないが、あそこまであっさりと抜かれるとは・・・。前半40分にFKから迎えたシュートチャンスも、フリーだったにもかかわらずシュートはバーを越えた。ブラジル戦での低調なパフォーマンスも含め、日本最高峰のセンターバックの実力が、世界レベルでは平均点にも達していないのではと思わせるプレーぶりだった。

DF 槙野智章  5・5

決して大柄とは言えない体で、“フィジカルモンスター”ルカクに立ち向かった。スピードを生かしたブロック、タックルと目を見張る場面もあったが、やはり1試合通じては封じきることができず。しかし彼の能力からすれば、上出来と言える内容だったのではないだろうか。

DF 長友佑都  5・0

ブラジル戦よりもオーバーラップの回数は多く、左サイドの攻撃を活性化させた。しかしクロスの精度は高いとはいえず、味方にぴたりと合わせるようなボールは一度もなし。ゴール前で味方がフリーになりきれていないという点もあるが、クロスの質は物足りなかった。

DF 酒井宏樹  6・0 (86分OUT)

対面したFWメルテンス(ナポリ)に決定的な仕事はさせず、ブラジル戦に引き続いてフランスでの成長ぶりを感じさせるパフォーマンスだった。守備に軸足を置き、身体能力を生かして右サイドにがっちりと鍵をかける姿は、頼もしさすら漂っていた。負傷の影響もあってか終盤に交代はしたが、今やDFラインで最も代えのきかない選手へと成長している。

DF 酒井高徳  時間短く採点なし (86分IN) 

MF 井手口陽介 5・5

素早いプレススピードで何度もボールを奪い取るなど、持ち味の部分は十分にベルギーにも通用した。コーナーキックでも鋭く正確なボールを供給し続け、キッカーとしても及第点と言える。攻撃面ではシンプルなプレーに終始し、目立ったシーンはなし。欲を言えば、ガンバ大阪で見せるようなゴール前に迫力を与えるプレーを、日本代表でもみせたいところだ。

MF 山口蛍   5・5

守備範囲の広さ、カバーリングの的確さなど、能力の高さを垣間見せた。危ないと思われるシーンでは、すっとDFラインまでポジションを落とし、必ず顔を出してベルギーの時間を奪おうとした。しかしボールを持つと、目を疑うようなパスミスも。守においては好プレーだったが、攻の点ではまだまだ改善の余地がありそうだ。

MF 長沢和輝  5・5 (62分OUT)

代表デビューとなった一戦で、落ち着いたパフォーマンスを披露した。ボールを持てばシンプルなボール回しとDFラインの裏へのスルーパスを織り交ぜて攻撃にアクセントをつけ、守備でも体を張って自らの仕事を果たした。今後、今回は代表落ちした香川真司(ドルトムント)とポジションを争う可能性があるが、ハリルホジッチ監督も、もう一度代表で見てみたい、と感じた62分間だったのではないだろうか。

MF 森岡亮太  5・0 (62分IN)

インサイドハーフに入り、攻撃を活性化させようとした。69分には、ペナルティーエリア外から左足で狙ったが、シュートはやや弱くゴールとはならず。一方失点シーンでは、ファウルを嫌がったか軽い守備であっさりとシャドリの突破を許す失態を犯した。

FW 原口元気  5・0 (78分OUT)

守備の仕事に追われて高いポジションを取れないことも多く、攻撃で印象的なプレーはなかった。もちろん現在のチーム力ではまず全員できっちり守備、という約束事があるのはわかるが、ボールを持った時の推進力でいえば日本代表の中でトップと言える原口が、カウンターの際に低い位置からスタートしていては、ゴールは遠いと感じられた。

FW 乾貴史   5・5 (78分IN) 

投入直後、ペナルティーエリア外から右足で鋭いミドルシュート。GKミニョレの好セーブに阻まれたが、可能性を感じさせる一発だった。ボールを持った際にも余裕が感じられ、やはり世界屈指のリーガ・エスパニョーラでワールドクラスの選手たちとの対戦経験を積み重ねているメリットを感じさせた。

FW 浅野拓磨  4・5 (68分OUT)

スピードは十分に通用した。しかし、それだけだった。立ち上がりにはスピードで相手DFの前に出て、ビッグチャンスを迎えたが、ゴール前での切り返しにキレがなく、シュートはブロックにあった。またサイドを突破しても、中の味方が見えていないのか、それとも狙ってもキックをミスするのか、正確なクロスを供給できず。完全に技術不足を露呈してしまった。

FW 久保裕也  4・5 (68分IN)

ブラジル戦での低調なパフォーマンスからか浅野にスタメンを譲り、ゴールが欲しい後半途中から途中出場。しかしサイドでの突破力にはやはり難あり。アジアでは得意の動き出しでフリーになり、シュートという場面も多く作れていたが、このレベルの相手になるとそう簡単にはマークを外すこともできなかった。守備でもシャドリの突破を森岡と二人がかりでも止められなかった。

FW 大迫勇也  6・0 (73分OUT)
体を上手く使い、巧みなボールキープで攻撃の糸口はつくった。ブラジル戦ではほとんど前線でボールをおさめることが出来なかったが、この日は上々の出来だった。しかし前半に訪れたクロスからのシュートチャンスは、枠に飛ばすことはできず。1点でも奪っていれば、満点に近いプレー内容だった。

FW 杉本健勇  5・0 (73分IN)

投入直後にベルギーDFのミスからほぼGKと1対1という決定的なチャンスを迎えたが、左足で放ったシュートはセーブされゴールならず。もっと冷静に周りの状況が見えていれば、ドリブルでもう少し運ぶ、利き足の右に持ち変える、追いすがるDFを引きつけてラストパスを送る、などいくつも選択肢はあったはず。代表定着へインパクトを残す大きなチャンスだったが・・・。

バヒド・ハリルホジッチ監督  5・5

長谷部を外して機動力のある3人を中盤に並べ、ブラジル戦からの修正を図った。守備の面ではある程度、狙い通りの展開に持ち込めたと言えるだろう。一方で攻撃面は、ショートカウンターと中心とした少ないチャンスに頼らざるを得ない現実的な戦い方をチョイス。このスタイルが、ワールドカップ本番でもベースになるだろう。今後は今回外した香川、本田、岡崎らをチームにもう一度組み込むのか、それとも彼らと決別して本番に臨むのか。指揮官の手腕が本当に問われるのは、今後の約半年間になると言えるだろう。