【コラム】岡崎慎司の進化に迫る―今季は日本人初のプレミアリーグ2ケタ得点なるか

 レスターの日本代表FW岡崎慎司(31)が、2017-18年シーズンのプレミアリーグ・開幕戦となったアーセナル戦で、今季初ゴールを決めた。1点を追う前半5分、MFオルブライトンの左CKを、DFマグワイアが折り返すと、このルーズボールに岡崎が反応。アーセナルのMFジャカに競り勝って、ヘディングでネットを揺らした。岡崎は3-2とリードしていた後半27分に交代したが、その後アーセナルのMFラムジー、FWジルーという途中出場の2人に決められ、試合は3-4で敗れた。しかし英国紙「SUN」は10点万点中7点の高得点をつけるなど、イングランド国内でも高評価されるプレー内容だった。

 この日の岡崎はエースのFWバーディーと2トップを組んだ。しかし昨年より顕著だったのは、岡崎のポジションが非常に高く、ゴール前に顔を出す回数が増えていたことだ。
バーディーがサイドに流れて起点となった際には、必ずゴール前にいち早く進入。エースとの好連携で、ゴールの香りを漂わせるプレーをみせた。

 レスターは堅守からの速攻でスピードスターのバーディーを生かすというスタイルで、2年前の2015-16年シーズンは奇跡のプレミア制覇を果たした。王者として臨んだ昨季は、大型補強も敢行して攻撃的なスタイルへの転換をはかり、岡崎は先発から外れる試合が増えたが結果に結びつかず、ラニエリ監督は解任に。しかし後を継いだシェイクスピア監督の下、原点といえる堅守速攻のスタイルへと戻し、岡崎も先発に戻った。そしてシェイクスピア監督が続投となった今シーズン、オフにはマンチェスター・シティーから20歳のナイジェリア代表FWイヘアナチョを補強。15-16シーズンにはマンチェスター・シティーで8ゴールを挙げた若手FWがライバルに加わったが、開幕戦でバーディーの相棒に指名されたのは岡崎だった。

 岡崎はレスターに加入した1年目が5ゴール、2年目の昨季は3ゴール。豊富な運動量で献身的な守備をみせるスタイルでチームにとって欠かせない存在となったが、やはりストライカーとしては物足りない数字しか残せなかった。プレミアリーグでの3年目となる今季、アーセナル戦も基本的なプレースタイルに変わりはないが、1-1の前半29分にバーディーのゴールでリードを奪うまでは、2トップの一角として最前線のラインから下がりすぎないプレーを続け、常に敵陣ゴール前に顔を出していた。しかし守備をさぼっているわけではなく、相手ボールの際はトップ下のようなポジションを取ってディフェンスに入るが、ボールを奪った際に一気にスプリントして2トップを形成する、という“守から攻”の切り替えの速さをみせていた。岡崎はバルセロナ五輪への出場経験もあるフィジカルトレーナー・杉本氏の指導の下、スプリント力のアップに取り組んでいるが、その努力が少しずつ実を結び、スムーズな足の運びからキレのあるダッシュをみせていた。

 守備力が高く評価される岡崎だが「FWは点をとってなんぼですから」と言い続けている。ゴール前に入る回数が増えれば、おのずとシュートチャンスは増える。ストライカーにとって原点といえる『シュートを打てる場所』へと走る岡崎のプレーを、今シーズンは数多く目にすることができそうだ。プレミアリーグでの日本人最多得点は、12-13年シーズンに当時マンチェスター・ユナイテッドに所属していた香川が記録した6ゴール。岡崎にはその記録を塗り替え、さらに2桁の大台に到達する活躍を期待したいところだ。