負ければ一気に大混戦!?日本代表、イラク戦の注目ポイントは??

 日本代表は13日、2018年ロシアワールドカップ・アジア最終予選のイラク戦(会場はイラン・テヘラン)に臨む。日本が戦うグループBは、いよいよロシア行きの切符をかけた終盤戦を迎えて激戦の様相を呈している。

 6月8日に行われたオーストラリア対サウジアラビア戦では、オーストラリアが3-2と勝利。現在、日本、オーストラリア、サウジアラビアの3チームが勝ち点16で並ぶ状況となっている。グループ2位以内がロシア行きを決め、3位は大陸間プレーオフへと進むアジア最終予選。1試合消化が少ない日本は、イラク戦に勝利すれば勝ち点を19まで伸ばした頭一つ抜け出すが、敗れれば残りオーストラリア、サウジアラビアという2チームとの対戦を残して勝ち点で並ぶことになる。トータル11編集部では、イラク戦の注目ポイントについて分析した。

香川真司の代役は???

 8日に行われた親善試合・シリア戦でMF香川真司(ドルトムント)が左肩を脱臼。イラク戦を前に、チームから離脱した。香川は日本サッカー協会を通じ「残念かつ申し訳ない形でチームを離れますが、こればかりは仕方ないので、今は怪我を一日でも早く治すことに集中したいと思います。日本代表が勝つことを祈ることしかできませんが、勝利を信じて、戦ってきてほしいと思います」とコメントした。

 イラク戦で香川に代わり、インサイドハーフで起用される可能性があるのはMF倉田秋(ガンバ大阪)とMF本田圭佑(ACミラン)だ。倉田はシリア戦、負傷の香川に代わって前半10分から途中出場。失点シーンでは軽い守備でクロスを上げさせてしまう失態を犯したが、攻撃では数多くボールに絡み、今野や井手口らガンバ大阪のチームメートらとも好連携をみせた。一方で本田はハリルホジッチ監督が就任後、一貫して右FWで起用されていたが、シリア戦で初めて試合途中からインサイドハーフに入り、攻撃にためとリズムを作り出していた。

 このふたりを比較すると、豊富な運動量で広くピッチを走り回って攻守にからんでいく倉田と、運動量は多くはないが決定力、勝負強さ、そして経験値では勝る本田という構図になる。倉田は代表経験こそ浅いが、ガンバ大阪ではFWからボランチまで数多くのポジションをこなし、ACL(アジア・チャンピオンズリーグ)でも場数は踏んでいる。ハリルホジッチ監督はまずしっかりと守備で広範囲をカバーできる倉田を先発に送り込み、試合の流れを決める時間帯で、経験豊富で状況に応じたプレーを選択できる本田を投入すると予想する。

山口蛍の状態は?先発は井手口?

 アンカーの位置で先発したシリア戦で右すねを打撲して途中交代したMF山口蛍(セレッソ大阪)は、イラクでも別メニュー調整が続いており、先発のピッチに立てるかどうか微妙な状態だ。もし山口の出場が難しいとなれば、代役はシリア戦で山口に代わって途中出場し、代表デビューを果たした井手口陽介(ガンバ大阪)となる可能性が高い。

 井手口は山口とプレースタイルは重なる部分が多く、ボールへのスピーディーな寄せを武器に広い守備範囲を誇るMFだ。代表経験は少ないが、2016年のリオ五輪にもチーム最年少で出場。ガンバ大阪時代には、先輩にあたるFW宇佐美貴史(現アウクスブルク)から「能力は怪物級」と評された若手のホープで、その力に疑いはないだろう。

 もし井手口が先発してアンカーの位置に入れば、中盤はインサイドハーフの今野、倉田とともに、ガンバ大阪勢で構成される可能性もある。今回のイラク戦は、膝の負傷で離脱中のMF長谷部誠(フランクフルト)、そして香川と代表の中盤を支えるふたりが不在。そのため誰が入っても連携不足は否めないが、ガンバでプレーする3人を“セット”で起用すれば、連携面のリスクは最小限に抑えられるだろう。

勝ち点3を取りに行くのか、それとも・・・

 現在、勝ち点16で3チームが並んでいる状況を考えると、このイラク戦は最低でも勝ち点1を取らなければならない試合だ。日本は中心選手に負傷者が多く、決して万全とは言えないチーム状況。さらに会場は中立地のイランとはいえ、40度近い気温、劣悪なピッチ状態など、不安な要素は多い。

 シリア戦では途中出場のFW乾貴史(エイバル)が切れ味鋭いドリブルを披露し、インパクトを残したため、イラク戦でも活躍が期待されるところだろう。しかし中東の荒れたピッチで、乾の繊細なボールタッチが発揮できるかどうかは微妙だ。もし試合終盤を同点の状況で迎えたなら、乾のように攻撃的なプレーヤーを投入して勝ち点3を取りに行くより、試合の流れを読んで勝ち点1をきっちりと積み上げる、といったゲームマネジメントも必要になるだろう。

 日本はイラク戦後、8月31日にホームでオーストラリア戦、そして9月5日にアウェーでサウジアラビア戦を残している。Bグループの強豪2チームとの対戦を前に、ライバルたちに一歩でもリードを奪うことが、このイラク戦でハリル・ジャパンに課される最低条件となる。