久保建英だけじゃない!!U―20ワールドカップで飛躍を目指す将来の日本代表候補たち(第3回)

中山雄太(柏レイソル)

 攻撃陣に注目が集まるU―20日本代表だが、昨年優勝したU―19アジア選手権では、全6試合すべて無失点と守備陣の奮闘が光った。MVPを獲得したのは堂安律(ガンバ大阪)だったが、その張本人が「MVPは僕じゃなくて、DF陣だと思っていました」と語ったほど。そんな守備陣を中心として支えたのが中山だ。

 柏のユースから2015年にトップチームに昇格した現在20歳のセンターバックは、2016年途中からレギュラーに定着。スピード、ステップワークに定評があり、切れ味のあるドリブラータイプのFWとの1対1に強さを発揮する。181センチと上背はそれほどないが、自身より大きなFW相手でもコンタクトをおそれないポジショニングで、高さの不利をカバーするファイタータイプのDFだ。

 さらに貴重なのが左利きだという点。現在サッカーでは攻撃の起点は後方のポジションにうつっており、GKを除けば最もプレッシャーのかかりにくいセンターバックにも、パスセンスが求められている。さらに近年では2センターバックのうちの左、3バックの左にはレフティーを置きたいと考える監督が増加している。右利きより縦につけるパスやサイドへの展開も正確で、ボール回しがスムーズになるというのが理由だ。中山はユースではボランチ、トップデビュー後は左サイドバックも経験しており、パス回しに難はない。

 コミュニケーション能力にも定評があり、若いがDFリーダーとしてのラインコントロールにも長けている。5月6日のセレッソ大阪戦では、187センチと大柄なセレッソFW杉本健勇と対峙し、空中戦でも後手を踏むこともなく、さらに巧みなラインコントロールでスペースを奪った。清武、柿谷といった日本代表クラスのアタッカー陣がゴール前に侵入してきても、落ち着いた対応で最後までゴールは割らせず。チームの1―0での完封勝利に貢献した。

 これまでの日本のセンターバックを見てみると、吉田麻也(サウサンプトン)のように高さやボール回しには定評があるがスピードに難があるタイプと、全盛期の中沢佑二(横浜Fマリノス)のように、身体能力は高いがキック精度などボール扱いに難があるタイプが多い。高さ、スピード、技術の3拍子を高いレベルで備えたタイプは、まだ皆無と言っていい。10代からJリーグでもまれて数々の外国人FWとも対峙し、着実に経験を積んでいる中山は、機動力、ジャンプ力を武器に世界最高峰のDFに数えられるスペイン代表DFセルヒオ・ラモス(レアル・マドリード)のようになれる可能性を秘めている。U―20ワールドカップでの活躍次第では、フル代表入り、さらに海外移籍という次のステップも見えてくるはずだ。